空中階を借りる前にチェックしておくべきポイント5点
空中階でも十分な集客が出来れば、飲食店経営において大きなアドバンテージとなります。しかし、路面店と比較するとやはり集客力が格段に落ちてしまうのが空中階です。
わかっていながらも、家賃が安いという理由で空中階を借りてしまい、集客に困ってしまう飲食店が後を経ちません。同じ空中階でも集客できる店、出来ない店の違いは、実は業態よりもビルそのものにある場合も多いので、空中階に借りる前にチェックしておくべき主なポイントを解説します。
ビルの視認性が良いか
ビル自体の視認性によっては空中階でも店舗を大きくアピールできる場合があります。その視認性を左右するのは「前面道路の幅」です。例えば、ロータリーと商店街沿いの店舗を比較してみましょう。
目の前が大きく開けたロータリーから見える3階店舗と、ほぼ真下から見上げるしかない商店街の3階では視認性が大きく異なります。
空中階でも、お客様が遠くから確認できる視認性があれば逆に強みになる場合もあります。それが角地であればなおよいでしょう。事前に顧客目線であらゆる角度から見上げてみて、ビル自体の視認性を確認してみると良いでしょう。
看板の取付がどこまで許されるか
空中階は路面店舗と比較して、通行人にアピールできる看板が著しく小さくなります。袖看板や、集合看板などの規制が厳しいビルも多く、場合によってはEV前に名前が小さく載るだけになることもあります。予約だけで成り立つお店でない限り、これでは集客は難しいでしょう。
したがって、元々の取付可能な看板範囲がどれくらいかを事前に把握し、なるべく看板の大きいビルを選ぶと良いでしょう。また、空いているスペースがあれば、合わせて追加の看板取付が可能か、看板を置かせてもらえるかを交渉することも大切なポイントです。
エレベーターが遅くないか
空中階への送客はエレベーター頼みとなるため、そのビルのエレベーターの輸送能力は営業に大きく影響します。輸送能力とは主に、①定員数・②機数・③昇降スピードを指します。
いざ営業を開始したとしても、エレベーターが来ない、来ても順番待ちが続いてしまうとお客様に大きなストレスがかかり、来店動機を失うきっかけになります。
特に、古いビルや途中から飲食ビルへリノベーションしたビルは、この問題が起こりやすいので注意が必要です。
居抜き店舗の漏水問題
飲食店の居ぬき店舗での出店の場合、空中階は漏水の注意が特に必要です。施工から年数が5年以上経過している店舗の場合、厨房区画の防水性能が劣化しており、そのまま使用すると漏水する可能性があります。居抜き出店の場合は、その居抜き設備自体が運営者の所有になりますので、故意でないとはいえ下の階に漏水させてしまうと、場合によっては多額の修繕費用や営業補償を負担しなくてなりません。
施工した企業の技術力にもよるので一概には言えないものの、新装から5年以上経過している居抜きで出店される場合には、事前に調査、可能であれば再防水を施すことをお勧めします。
施工費が高くなる
一階店舗に比べて資材等の搬入効率が悪く、他階に考慮した養生や工事の時間制限によって施工コストが上がりがちです。また、施工期間も比較的長くなるケースが多いので注意が必要です。初めての空中階出店では、契約を締結する前に見積もりを取り、予算感とスケジュール感を把握しておくと良いでしょう。